マイケル・ティルソン・トーマスは先月サンフランシスコ交響楽団でベートーヴェンの第九を指揮しました。足取りは弱々しく、うしろに人が付き添って指揮台へ。指揮する姿もかつての力強さはなかったものの、会場は大いなる感動に包まれたそうです。
ティルソン・トーマスの青いメガネに敬意を表して、カーテンコールの際にオーケストラ全員が青いメガネをしてみせた。客席を、そしてマイケル・ティルソン・トーマスを喜ばせたというミニハプニングつきだったと。
進行性の脳腫瘍と診断されてから2年が経ち、病気と闘いながらも指揮台に立ち続けているマイケル・ティルソン・トーマスは多くの人に愛されている。LOVEと書いて、愛。冗談でもなんでもなく『愛フォルテシモ』ですね(注:ジャイ子の書いた漫画のタイトル)。ドラえもんでこれを目にしたときは大爆笑したけれど、そしていまでも大好きな言葉だけれど、いまこそこの言葉(きっと藤子不二雄先生が思いついて爆笑した言葉なんだと思うんですが)が最大限に輝くように感じています。マイケル・ティルソン・トーマスへの愛はかつてないほど、最大限に注がれている。
第九コンサートのあとサンフランシスコ市長がステージに現れて、マイケル・ティルソン・トーマスの長年にわたる功績を称え、サンフランシスコ交響楽団が本拠にしているデイヴィス・コンサートホールの前の道「グローブ・ストリート」の一部をマイケル・ティルソン・トーマスの名前を冠した「MTTウェイ」に変更すると発表したそうです。マイケル・ティルソン・トーマスという名前だけでなくMTTという略語がそれだけ浸透しているということですね。
San Francisco to Honor Michael Tilson Thomas by Dedicating a Street to Him – The Violin Channel
それと同時に、未確認情報ではありますが、マイケル・ティルソン・トーマスがサンフランシスコ交響楽団を指揮するのはこれが最後だというようなことを市長が言ったという報告もあります。
来週のコンサートもキャンセルになりました。病状は一進一退なのだろうと想像するよりないですが、マイケル・ティルソン・トーマスが一日でも長く生きて、素晴らしい日々を送られることを願っています。
近しい人から不治の病を告白されたら、自分なら、あなたならどう反応する?そして何をしてあげられるだろう?
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