2024年10月20日は記憶されるべき日なのかもしれない。なぜなら、マイケル・ティルソン・トーマスが、復活を振ったから。明日、10月23日にもう一度公演が予定されているがもちろん完売。
2021年に進行性の脳腫瘍と診断されてから3年、誰もがティルソン・トーマスに別れを告げる日はそう遠くないと残念に思い、諦めの雰囲気もただよっていたと思うのですが、何度も何度も指揮台に戻って来た。
今年の5月にイギリスに戻ってきて、ロンドン交響楽団を指揮した際は、演奏の途中で混乱をしたようだった、という話もあったのですが、なんと同じ年にふたたびロンドンに戻ってきて、マーラーの超巨大な交響曲第2番《復活》を指揮するとは。
80分休憩無し、大合唱団付き。怒濤のごとく感情がうねるロマン大爆発!言い換えればエネルギーを吸い取られる、体力が求められる作品を、12月21日で80歳を迎えんとする、そして脳腫瘍を病みこの先が全くわからない指揮者が指揮をする。しかも指揮台に用意された椅子をほとんど使う事なく!
これは素晴らしい復活劇ではありませんか。すごい、すごい。単純にすごい。若さの溢れる、ドッカーン!!大爆発な復活ではなかったとありますけれど、思慮深さが溢れていた、ということですし、そもそも誰も、ホールが吹き飛ぶような《復活》は期待していなかったでしょう。ティルソン・トーマスの病気とこのコンサートを重ね合わせなかった人はいなかったでしょう。
登場の瞬間からスタンディング・オベーションだったというのも、さもありなんですね。病と戦いながら、またしてもロンドンへ、またしても舞台に戻って来た。音楽がティルソン・トーマスの生きる力になっていることは間違いがないし、病気なんだからやめたら、などというのはきっとやぼなことなのでしょう。
つまりどういうことかというと、こういうことです。誰かティルソン・トーマスの来日公演を企画していただけませんか!!!それは無理だろうか。いや無理ではないかもしれない。Aで始まる会社、Nで始まる法人、Tで始まる音楽祭などに期待のまなざしを向けています。
マイケル・ティルソン・トーマスはマーラーで華々しく、復活し、つづいてニールセンで不滅となる!(ニールセン振ってましたっけ?)
あ、でもこういうのってアメリカの会社と話すとなると、ここぞとばかりものすごくギャラを吊り上げてくる可能性があるな!!
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