メトロポリタン歌劇場の危機

危機感は常に持ち続けないといけません。立ち止まってしまうとすぐにそこから落下していくのです。登って行くのは大変だが落ちるときは一瞬、とはよくいう話です。

メトロポリタン歌劇場はどうでしょうか。観客の動員数は昨シーズンから10%増えて73%にまで上昇し、パンデミック前にほぼ戻って来たようですが、ニューヨーク・タイムズによるとお金が足らん、ということのようです。インフレもやばい、と。

結局クラシック音楽というのはルージングビジネスなのだ、という事を言った人がいて、ビジネスをすればするほどお金が減っていくという不思議な商売だというのです。チケット代収入ではまかなえず、スポンサーもなかなかつかず、助成金、補助金などを得てやっとなんとか収支を合わせている、というのです。このルージングビジネスという言葉、去年聞いたんですけど、ずっと頭から離れません。

でメトロポリタン歌劇場なんですけどこのたび基本財産から4000万ドル(59億円ぐらい)を取り崩したそうです。昨年も3000万ドル(44億円ぐらい)を取り崩したので、100億円以上であります。これにより基本財産は2億5500万ドル(377億円ぐらい)にまで減少したと。

もしこのままの勢いで減少していくとなるととてもやばい。毎年50億円を取り崩すとなると、10年たたず破綻する可能性があるっていうことですかね。総支配人のピーター・ゲルブが「トンネルの先には光がある」という言葉遣いをしているというのはまあ強気な発言ではありますけれども、不安は増しているという風に受けとることも出来る。「夜も眠れない」とも言っているからきっつんだと思いますね。いやー。

ただ、チケットの売れ行きは最初に書いたように回復傾向にあるようなので、それは喜ばしいことであります。回復傾向からの、パンデミック前を超えて完売続出を目指そうやないか、ということですね。

そのためにいろいろと施策を施すと。詳しくはNYTを読んでねなんですが、好調というボエームは昨シーズン18公演で74%の売上ということなので、まだまだ伸びしろがある。魔笛は87%、ええやん、でもまだいける。タンホイザーは64%、頑張れ!!仮面舞踏会56%。ぐおおお!!!

売らんかな。売ろうぜ。

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