先生がな、ストラドを貸してくれてん。

優秀な生徒を持つこと、それが教師によっての喜びでありましょう。ハンガリーのジェルジ・パウクは、昨日で88歳。米寿だ・・・・・・。ていうかパウク先生ご存命だったんですね。失礼ながらそんな風に思ってしまいましたが、長生きなのはいいことだ。

さすがに演奏活動からは引退していて、教える方も引退して・・・・・・いない、ようかな?だとするとすごいですね。88歳でまだ教えるとは。

キャリアのほとんどの時期でジェルジ・パウクはこのストラドを演奏してきたらしいのですが、引退して自分が演奏しなくなったから、ぶらぶらと遊ぶことになってしまったストラディバリウスを優秀な元生徒に貸し出したという、なかなかいいお話。

ストラディバリウスはどういう人が弾いてきたんか、みたいなことがわかっていることも多く、このマサールは、クロイツェル、あの、ベートーヴェンがヴァイオリンソナタを献呈しているクロイツェルが演奏していたことでもしられる楽器なのだそうであります。なおマサールというのは、ほら、あのマサールです。

ランベール・マサール(1811-1891)。ヴィブラートのテクニックを開発したというか、体系立てて確立したと言われるベルギー出身の著名なヴァイオリニスト。クロイツェルの弟子。パリ音楽院の教授として長い間活躍してイザイとかヴィエニャフスキやらクライスラーを教えて人ですね(いまネットで得たばかりの知識をさっそく披露や!!)。

あらたにこの楽器を貸与されることになったのはパウクと同じハンガリー出身の若きヴァイオリニスト、ユリア・プシュケル。2019年のエリザベート国際で第5位に入賞していて、ヨーロッパで忙しく活動をしている。

しかしストラディバリウスを貸与されるというのはさぞ嬉しいことでありましょう。この楽器の所有者はパウクなのか、それともベアーズなのか、そこのところは不明ですが、ベアーズを通じて貸与されている、ということなので、ベアーズなのかな。そうすると又貸しということになるがいいのか。又貸しにあたっては、新たに契約というか、同意書というか、覚え書きとかそういうのも交わされたのでしょう。保険とかそのほかのことについても丁寧に説明を受けたのでしょう。

なんせあの小型の機具は数億円以上する。そのへんの高級一戸建てよりも高い。

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