ロサンゼルスで映画音楽とクラシック音楽の断絶をなくそうという試み

映画で使われる音楽は、いまだにオーケストラである場合も多く、これはどうしてでしょうか。もちろんそうでないケースもありますが、映画音楽がオーケストラのために書かれるという場合もけっこうある。

大学にいたころ、アメリカからの帰国子女のヴァイオリン科だったかの女性がいて、自分はハリウッドの映画音楽に関わりたい、というようなことを確か明言していて、それを聞いて不思議な気持ちになったのを憶えています。どうして音大に行ってまで、映画音楽へ?

私は若かったのであります。その程度には、つまり、少なからず、いわゆる純クラシック音楽との間に垣根はある、ということでもあるのではないか、と、つらつらと思っていたのですが、映画音楽で成功した作曲家ジェフ・ビールが、ロサンゼルス室内管弦楽団に200万ドル(3億円ぐらい)を寄付したというお話です。

その目標は、映画音楽の作曲家たちにいわゆる純クラシック音楽の新作を書いて貰おうという試み。すでに3人の作曲家が選ばれていて、来年から、1曲ずつ演奏されるとことになっているとのであります。200万ドルがどういう風に分配されるかわかりませんけれど、作曲家への委嘱料、楽譜制作代、著作権料、それからオーケストラと指揮者、つまり演奏する側にもお金が落ちる仕組みになっているのかなと思いますが、こうして得たお金を使って還元していただけるというのは素晴らしいことですね。

本人のコメントを雑に訳すと「コンサートのステージとハリウッドの作曲家たちが生み出す音楽との間には奇妙で不自然な断絶がある。この取り組みは恩返しである。長年にわたって私たちの楽曲を演奏してきた素晴らしいオーケストラの人々を支援するのみならず、クラシック音楽のコンサートに、ロサンゼルスあるいはその周辺の多数の優秀な作曲家たちとの間の会話、あるいは影響を及ぼす試み」

つまり200万ドルもの大金をポンと寄付できるほどに金銭的な大成功を収めているということだ。実にうらやましいことであります。いやあうらやましいっ!!弊社など200ドルの寄付だって躊躇するよ。200万ドル寄付できることになれるよう、弊社も日々精進して行きたいと思うものである!!下を見るのではなく上を見よ、とはよく子どもの頃母親に言われていたもんね。

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