音楽家というもの、スポーツではないとはいうものの、身体を使う職業であり、しかも繊細さから強靱さまでをカバーしなければならぬ。大変な仕事なんですよ。
私もかたかたと毎日キーボードに向かい駄文を書いてみたり、くだらぬ駄洒落つきのメールを書いたりしているわけですが、ばばばばーっと打っていると親指が痛くなったり、手首が痛くなったりすることもあるよ。私でさえそうなんだから、ピアニストの手にかかる負担はそうとうなものであろう。
かつてスクリャービンは、リストの《ドン・ジョヴァンニの回想》を練習しすぎて手を痛めたことがあったよ。そのおかげで左手のための素晴らしい小品が書かれたわけだ。あの曲大好きなんで、関係ないけどスポティファイ貼っておきますね。
ヴァン・クライバーン国際で優勝し、いまも話題沸騰中の韓国人ピアニスト、イム・ユンチャンが手の怪我でヨーロッパの5公演をキャンセルしたというニュース。若くても気をつけないといけませんね。いや、若いからこそ気をつけないといけないのかもしれない。パワーが有り余っているからね。
練習のしすぎだろうか。あ、でもよく読むとsprainとあるから腱鞘炎とかではなくて捻挫ですね。「医師とも相談のうえ、早期回復と同様の問題の発生を防ぐために取り組む」という声明が出ていますが、転んだとかそういう感じなのかも。人生何がおこるかわかりませんね本当に。
キャンセルになったのは
3月27日 ロイヤル・フィル(ロンドン)
3月30日 ペララダ(スペイン)
4月6日 ゲヴァントハウス(ライプツィヒ)
4月8日 ウィグモアホール(ロンドン)
4月10日 ミラノ
現状、このあと4月26日のボルチモアで復帰予定とのこと。
コメント