人はどうして噂話が好きなのでしょう。私も嫌いだとはとてもいえません。井戸端会議という言葉は忌み嫌っているはずなのに、実に井戸端的な会議を断行しているではないか。昨日も、そして今夜も井戸端で(この業界なので、実質的には舞台裏で、あるいは様々な法人の事務所などで会議は踊っているのである。ワルツとともに)会議がなされることはまずまちがいがない。
こういった会議を通じ、我々は情報を得たり、交換したり、現実へ落とし込む前段階へとするのである。オンラインで完結しようなどというのはとてもよろしくない考えで、オフラインで、人と会って話をして、そこから創造力や想像力を働かせ、フル稼働していくのだ!
ひかえおろう!
というわけで、本日の噂話なんですけど、昨日、サンフランシスコ交響楽団の最低賃金が20万ドルつまりいまの日本円にして3000万円を超えてくることがあきらかになったばかりなのですが、どうやらロサンゼルス・フィルの最低賃金はそれを超えてくるのではないかという話が聞こえてきたのです。飛ばし記事や誤報があったり、やたらとスキャンダラスな書き方をしたりすることもあり、品がない、ロンドンの東スポ(東スポさんごめんなさい)、などと言われたりもするレブレヒトのブログによりますと、ということなのです。
噂の火種はここ。アメリカの音楽家ユニオンのウェブサイトです。ロサンゼルス・フィルの音楽家たちが新たな4年間の団体交渉協定に達した、大幅な増額、休暇手当の改善などが含まれる、とだけ書かれている、そのリリース文章であります。
レブレヒトのコメント欄には23万ドル(3390万円)を超える、とか25万ドル(3685万ドル)近くになる、といったことを書いている人たちもいるし、なんとなれば次の音楽監督はエリム・チャンの可能性、といったことも書かれております。
エリム・チャンの名前は最近急速に高まっているようで、オーストリアの関係者からも非常に高い評価の声を聞きます。アジア人女性という、いわゆる20世紀までの世界の大指揮者のイメージからは少し外れてはいるわけですが、いまっとも評価され期待されている指揮者の一人だそうです。遠からず日本のオーケストラへの登場も決まっているようですから、ぜひ機会をとらえて聴いてみてください。
それはさておき、最低年俸が3500万円とか、本当に今の日本からすれば高値の、いや、高嶺の花でありまして、うらやましいことこのうえありません。持てる者はますます持ち、持たざる者はますます持たない。そういう格差社会がますますアレしているような気がします。パチンとはじけることがないといいのですが、音楽家も稼げるんやで、という現実がなければ次世代も育たないので、ぜひ足を引っ張るのではなく、ほんだらば俺らも、と上を見て努力することが大切なのです。
つまり、自分も「お金欲しい」と思っている。そういうことを認めるべきなのです。もちろん銭ゲバはだめで、バランスをとって、三方よしを目指し、静かに努力せん、というわけです。ほんだらば。
ヨシッ!
どうしてどうして!!
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