エストニア国立歌劇場が、ロシアとの関係を理由にホセ・クーラをキャンセル

エストニアはロシアに長らく支配されていた歴史もあり、各国の中でもとりわけ敏感だということもあるでしょう。エストニア国立歌劇場がアルゼンチン出身のテノール歌手・指揮者・演出家のホセ・クーラをキャンセルしたというニュース。

しかし、テノール歌手のホセ・クーラはいまや指揮者や演出家として活動しているのかということにもびっくりでありました。めちゃくちゃアンテナの感度が低くてすいません。

むしろもう歌っていないぐらいの勢いで、62歳だからオペラの舞台からは身を引いていても不思議ではないですが、しかも今回指揮者?として登板予定だったのがブリテンも《ピーター・グライムズ》だったというので、なかなかに難易度の高めそうな(すいません、イメージで語っているので実際はそこまで難しくないかもしれませんけれど)オペラを指揮するはずだったのだな??これは本格的だな!

いや、ちゃんと調べなければならぬ。炬燵記事で有名な弊ブログもですね、一応調べ物はそこそこやっているつもりであります。なになに英語のwikipediaには指揮活動のことも書いてありますね。むしろ若い頃は指揮も勉強していて、歌と指揮のキャリアを並行して成功させていたとあり、さらにはシンフォニア・ヴァルソヴィアの首席客演指揮者も務めたと書いてあってのけぞりました。本格的やんけ。私があまりにぼんくらですいません。

だがなになに、オペラベースを見るとどうやら演出家での参加だったような感じですね。歌でも指揮でもなく、演出でありました!!

どうやらクーラはマリインスキー劇場で今月16日にオテロで指揮する?演出する?予定になっていて、結局それはキャンセルになったようなのですが、それをエストニア国立歌劇場が問題視。クーラ側は文書を劇場に提出したが、ロシアとの関係性について立場を明確にしていなかった。なので、劇場としてクーラとの関係をつづけるわけにはいかないという判断をした、ということのようです。劇場の声明文はこちら。なおクーラは今年1月にはロシアでコンクールの審査員も務めていた。

これにより《ピーター・グライムズ》の9月の上演は延期が決定。数年後に戻ってくるぜ、とのこと。なお9月26日と28日にはコンサート形式で上演するので、両日のチケットを持っている方はそのままぜひお越し下さい。払い戻しも受けます。ほかの日のチケットを持っている人は、コンサートに振り替えることも、払い戻しを受ける事も可能とのことです。

演出家を切ってしまったのでやり直しには時間がかかるが、とりあえずコンサート形式なら出来るから、という理由での上演ですね。

延期するのは痛手。しかし現在のロシアとの関係を明確にしておきたい劇場の人々の意思の力の方が強い、ということでしょう。

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