3月16日にニューヨークの高名なオークションハウス、タリシオで競売にかけられるヴァイオリン、それが、ババーン!!
グァルネリ・デル・ジェス、1731年《バルティック》
であります。1979年から中国出身(アメリカ在住)のSau-Wing Lam氏とその家族が所有していたもの。150ほどしか現存しないと言われるデル・ジェズの楽器が、43年振りに市場に出てくるのであります!!
楽器に関する詳細、ストーリーなんかはタリシオの特設ページへ行って読んできてください。
・・・つってもまあ素人の目には、そして写真をみるだけではなにがどうすごいんかはからきし判りませんけれど、実際に判る人が弾けば判るんであろう。ちなみにタリシオっていうのは19世紀前半のイタリア人で有名な楽器コレクター&楽器商だったんですよ。そのルイジ・タリシオさんにあやかって名前がつけられたオークションハウスなんで、弦楽器の上物が出てくるというわけだ。
推定落札価格は1000万ドル(13億6180万円ぐらい)ということだそうで、ほーさよか。ダルビッシュ選手なら余裕で買えるな!とか思いましたけど、有さんがお買いになるかどうかは天のみぞ知る。
ところが!である、ここからが凄くてですね、じつはこの1000万ドルという見立ては、控えめにつけられたお値段なのだそうです。この金額を軽々と超えることが予想され、もしかすると2000万ドルになるのではないか、というのが、タリシオ側の見立てなのだそうです。そうなったら、これまでの最高額、えーと、ストラディヴァリウスのレディ・ブラントだったかな、その1590万ドルを更新する史上最高額になるということです。
2000万ドルと言えばいまの日本円で27億2300万円ぐらいとなります。どえりゃー金額です。松濤でゴーカな一軒家も買える!!チロルチョコならいったい何個・・・?!
ブルームバーグによりますと、最近では高価なヴァイオリンに関心を示すのはコレクターではなく銀行、投資家、あるいは財団、とのことで、ヴァイオリンが少なからず投機の対象になっていることがわかる。
作られてから300年近くが経たんとしている楽器はこれからもますます値段が上がっていくのであろうか。演奏家が買えることなんてもはやないし、投機の対象なんで傷ついたら困るんでっていうことで密室にしまわれてしまうようなことになるのであれば、それはそれでとても残念なことです。ヴァイオリンは弾かれてなんぼなんで、ぜひとも買われる方はリスク込みで、名手に貸与するなどして有効活用をなさってほしいなと思いますね。けっして自分で弾いたり、近所のさとる君の練習用に貸与してはいけないが、プロ中のプロのために、ぜひ。おねがい。
ほんで、こんな木製のおもちゃの何がすごいの?なんでこんなお値段なの?ってもしも言われたとする。あなたなら熱っぽくその理由を語れるかい?(なお私は無理です)
コメント
コメント一覧 (1件)
残念ながらガルネリをはじめとして、ストラディバリウス、アマティなどはすでにあちこちガタがきてますので博物館で動態保存され、次世代の名器が最高の演奏で活躍することになるでしょう。二流の日本の演奏家が手にして無様な演奏をすることなく、世界一の超一流のみがガルネリを手にし名演奏を聴くことができたことは幸いであったかと存じます。