ヴァイオリニストのララ・セント・ジョンが映画を作っているということはここでもお伝えしておりましたが、いよいよ来月、サンタバーバラ国際映画祭で公開されることになったとのことです。
カーティス音楽院で14歳の時に教授にレイプされた、また数十年にわたり性的虐待を受けた、という自身の体験を2019年に公表したことにより、多くの同じような被害者たちからの体験談が寄せられることになった。
ララ・セント・ジョンは欧米を旅し、これらの人々に実際に会って話をし、彼らの声を届けると同時に、クラシック音楽教育の現場での組織的な欠陥、特権意識のパターン、共謀といったものを明らかにしていった。
ララ・セント・ジョンの声明では、この映画の背後にある使命感が強調されている。
「『ディア・ララ』は、自主的な抵抗の形で始まりました。カメラを手に取り、どこへ向かうのかも分からぬまま撮影し、語り、耳を傾けました。音楽家として長年活動し、コラボレーションを重ねてきましたが、映画制作についての正式な訓練は受けていません。私にあったのは切迫感、そしてあまりにも長い間、声を上げる機会を奪われてきた人々からの信頼でした。やがて並外れたチームが形成され、この作品は、一人の声よりも力強いものへと形づくられていきました。
クラシック音楽は、物心つく前から私の世界そのものでした。その魅力はよく分かっていますが、闇も知っています。権力の不均衡、天才神話、そして加害者を守ってしまうことの多い「権威ある組織」への過剰な崇拝です。
この映画で沈黙を内側から破りたかった。本当に大勢の被害者たちが見て、信じて、そして私や互いとつながっていると感じられるようにしたかったのです。私は、もし評判や名声を守ることよりも、被害を受けた人を本当に最優先にしたら、正義はどのように変わるのか、という疑問を投げかけています。声を上げる人が排除されるのではなく、大切にされる世界だったら、クラシック音楽はどんなふうに発展していくでしょうか。
音楽は、言葉を話す前から自分の声でした。『Dear Lara』を通じ、私はいまその声を使い、他の人たちが自分自身の声を取り戻す手助けをしようとしています。」
世界の音楽教育関係者たち全員が観て、考えなければならない問題なのかもしれません。他力本願なことで恐縮ですが、日本でもいつか観られるようになることを願っています。


コメント