皆様に迷惑をかけまくっているので、他人のことをどうこう言えるような人間ではありませんけれど、仕事に関して気をつけなければいけないと自分を振り返る機会となるようなニュースを目にしました。
何かというと、シカゴ交響楽団で試用期間中の首席ヴィオラ奏者19歳が病気を理由に休暇をとって台湾で協奏曲を弾いて一発クビ。
EXCLUSIVE: CHICAGO FIRES CONCERTMASTER’S DAUGHTER – Slippedisc
https://slippedisc.com/2023/09/exclusive-chicago-fires-concertmasters-daughter/
これは・・・あかんでしょ。とても才能のある方のようなので、こういうことはやったらあかんのや、と言うことを学び、次回への教訓として頂ければ、という感じでしょうか。どうもコンサートマスターを務めているお父さんの関係の仕事だったみたいですが、お父さんしっかりぃ!案件でもあります。でも関係者は一同おかんむりやと思いますよ。関係者だったら私もプンスカしていたに違いない。
才能のある人には仕事がいろいろとやってきます。それを取捨選択する必要があります。そして面白くてギャラが高い、あるいは自分のキャリアにとってすごい重要と思えるような仕事が後からやってくることもあります。そういう時どうするか。大体の音楽家は「残念だけとまたの機会に」と断念します。
しかしそうでない人も中にはいます。なんのかんのと理由をつけて、先に決まっていた仕事をキャンセルしてしまう。これはよくない。「こういう仕事が来たんだけど、ダメですか」、となんの相談もなしに、ほかの理由でキャンセルしてしまう。普通に相談してもダメって言われるからでしょうけれど、昔はそれでもなんとかなったかもしれないけれど、今は地球の裏側の仕事でもそれがばれる。このニュースのように。
私の勝手な印象ですが、オペラ歌手の世界の場合、後から来た仕事の方を優先することに対する理解も若干?はあるような気もしています。歌手というのは急な病気、演出が気に入らない、共演者と巧くいかない、とかそういう理由でいきなりもともとのキャストがキャンセルしてしまうなんていうことがちょいちょいあり、そういう意味で代役探しとか、代役でいってしまわれた人の玉突き人事みたいなこともあります。あるいは、スカラ座から主役のオファーが来たのお願い!というような時にしゃーねーか(しゃーなくはないけど)、みたいなこともあります。スカラ座からオファーが来るなんて一生に一度かもしれないし、そのチャンスは絶対につかみたいと思うのは人の子として、まあ理解できなくはない(推奨はしません)。
しかし器楽奏者や指揮者ではそういうことは滅多に起こらないですし、もっといい仕事きた、やらないか、やります、という不義理なことを言う人もあまりいません。丁寧に先約があること、だがとても感謝していること、次回にまた声をかけてほしいこと、などを伝えて引き下がるのが普通。そうすると先方も、この人は信頼できるから今度また声かけよう、また今度、となりうる。
物事は長い目でみる、そして人間関係は大切に。それが基本であり重要なことでもあります。気をつけたい。
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