ショパン国際コンクールがいよいよ始まりますね。ポーランドのワルシャワで。85人のピアニストが集結し、ドドーン!とショパンを演奏する。ショパンだけを演奏する。一人の作曲家だけを演奏する、一人の作曲家だけで成立するというという特異なコンクールです。
5年に1度開催。20年はコロナで21年に延期になりましたが、今回は間隔を4年にして、元通りのスケジュールに戻した。めっちゃワクワクしているあなたは、先月末に日本でも公開されている、前回の模様を追った映画「ピアノフォルテ」をいますぐご覧になることを推奨。凄まじいプレッシャーのなか、日々全力を尽くす若者たちの姿に感動しない人はいないでしょう。私も観させて頂いて、絶句しておりました。
さて、ワルシャワでは9月29日から3日間かけピアノの選定が行われていて、出場者はたった15分の間に、ステージ上に用意された5台のピアノ(スタインウェイ、ヤマハ、カワイ、ファツィオリ、ベヒシュタイン)から1台を選ばないといけない。しかも今回からは、先生や家族などの他人が選定に関わることが出来なくなり、ピアノを提供する各社も、調律師以外は中に立ち入ることが出来ない、というルールへと変更になったようです。
恐らくいつも通りスタインウェイが最も多く使用されるのでしょうが、それはつまり、楽器が荒れる可能性があることも意味するわけで、楽器としての違いがそこまでないのであれば、あるいは好みがそこまで違わなければ、スタインウェイ以外を使用するという選択をとる人たちもいるかもしれない。しかし、誰が何を弾くかはわからないので、同じ選択をする人がどれだけいるか?蓋を開けてみたらスタインウェイが極めて少ない、ということになる可能性もあり、どういうことになるのかは、全くわかりません。楽器どうこうよりも、自分の腕それが全てなのだというスタンスの、リヒテルみたいな人もいるかもしれませんね。
そして昨日ポーランド時間の夕方に演奏順の抽選が行われ、一次予選はTでスタートすることが決まりました。
全員がくじを引くコンクールも多いですが、ショパン国際コンクールは名字のアルファベット順で演奏が決まります。そして今回からの新ルールの一つとして、2次はその6つ先のアルファベット、3次はさらに6つ先、ファイナルもさらに6つ先のアルファベット、ということで順々にスタートの順番が繰り延べされることになります。
つまり2次予選は「Z」から、セミファイナルは「F」から、ファイナルは「L」から始まる、ということです。アルファベットは26文字あるが実質QとXで始まる名字がほとんどヨーロッパにはないから、だいたい24でOKということだそうです。中国にはQやXもありますが、今回の参加者にはいません。
というわけで、あさって日本時間5時のトップバッターはZiye TAO。あさって、3日の日本時間午後5時スタートです。ネットで放送されるYouTubeは以下:
https://www.youtube.com/@chopininstitute
皆様のご健闘を祈りたい!
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