ベルリン・コーミッシェ・オーパーはこれからなんと5年ぐらいかけてめちゃくちゃに修理するそうです。1960年代のシステムをこれまで使用していて、日本だと30年っていうのが全面改修の目安だったりしますけれど、すでに60年経過しているっていうはものすごいことだ。そして日本では全面改修をしてもせいぜい1年とか1年半とかなのに5年かけるとは実に徹底している!!下手したら修理に手間取って10年かかるとかもあるかもしれない。
というか、60年前のシステムがいまでもちゃんと機能していたということの方が驚きといっていいのかもしれません。とはいえ「いわゆる今日の水準に達していない」と。それはそうだろうなとも思うわけです。いや、今日の水準ってなんなのっていうことですけれど、バリアフリーであったりであるとか、空調であったりとかLED化とか、タブレット操作とか、まあそういうことですかね。字幕システムとかね、飛び出すメガネとかね(これは今でもうまくいってない)。
そういうわけでブリブリと改修して、外観はさほどかわらないかもしれないが、実はかゆいところに手が届くみたいなそういう感じになるんであろうなと想像いたします。素晴らしいことだ。持続可能性だ。
じゃあ5年間はどこで上演するねんっていうことで、シラー劇場っていう劇場があいていて、そこを拠点にするそうですが、ベルリンのイベントスペースと言えば!(かどうか知らないけど)の、空港ですわ。テーゲル空港。空港自体はもう閉鎖されていて、格納庫がでっかいイベントスペースとして知られているんですけれど、そこでも上演をするということであります。
With a Pool and an Airport Hangar, an Opera Company Gets Nomadic – New York Times
https://www.nytimes.com/2023/09/14/arts/music/komische-oper-berlin.html
ただいま上演中のオペラは、ヘンツェが1968年に書いた「メドゥーサのいかだ」。なんとど真ん中にプールがあって、そこでじゃぱじゃばしながら演奏するんだと。なんでプールがあるねん、って思うんですけど、プールが可能性を広げるわけだな。しかも「以前ほどぬれない」って書いてある記事があったので、前にもプールを使って演出をしたんだなということがわかる。なかなか。リハの模様があるからどうぞ↓
出演者はバチくそに濡れてます。オーケストラには水をかけないように気をつけてね。
ヘンツェってガチガチの現代音楽なのにチケットは6公演が完売しているとか、どんだけみんな体験好きなんやって思いますね。わくわくが人間は大好きだから。これが例えば音楽だけだったら、あるいは普通のオペラハウスでやってたら完売したかどうか。恐らくそう簡単ではなかっただろう、下手したらガラガラのガラやろと思うわけで、それだけみんなの感覚を刺激したんだなあ。
すてき。
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