ベートーヴェンの死因を毛髪から調べた結果、B型肝炎である可能性が指摘される。

ベートーヴェンの死因はこれまで肝硬変とか肝臓の病気であると言われていたんですが、髪の毛のDNA鑑定をしたところ、B型肝炎のDNAの痕跡がある、ということで、その結果として肝臓が冒された可能性があるということが解ったのだそうです(ただし100%確実ではない)。さすがに話題が話題だけに日本語でも様々にニュースになっていて、このあたりとかごらんになるといいと思います。

https://www.bbc.com/japanese/65048939

残念ながら今回の調査では難聴の原因は特定できなかったのだそうです。

上のBBCよりもずっと詳しくいろいろ書いているニューヨーク・タイムズを読みますと、そこにもう少し面白いエピソードがあることに気がつきましたんでご紹介したい。

https://www.nytimes.com/2023/03/22/health/beethoven-death-dna-hair.html

●ベートーヴェンの父は祖母と祖父との間の子ではない可能性もある。ベートーヴェンの父ちゃんはアル中だった、そしてばあちゃんもアル中だった、またベートーヴェンの父ちゃんはじいちゃんとうまくいっていなかった、という点もそれを強化する状況証拠である、と。

●ベルギーには現在もベートーヴェンという姓の人たちが少なくとも5人いて、ベートーヴェンの親戚だと誇っている人もいたが、遺伝的には誰も全く関係がなかった。

これはショッキングなニュース(その家族的に)。これまでの皆様のアイデンやティティがそれぞれ音を立てて崩れさったと思うんですよね。悪いニュースを伝えるのは気が引けた、みたいなこともかいてありましたけれど、本当に悪いニュースだ。これは複数の研究者、とくに今回の研究に関係していない人たちからも確実だという結論が出されたということで、「先生、、、、何かのまちがいでは?」は通じないようです。情け容赦ないわ。やけ酒はほどほどに。

●1994年にサザビーズのオークションにかけられた「ベートーヴェンの毛髪」というものが実はベートーヴェンのものではなかった、という結果が出た。これはベートーヴェンと親交のあった作曲家フェルディナント・ヒラーがベートーヴェンの死の翌日に切り取り、息子に誕生日プレゼントとして渡したロケットの中に収められていたもので、本(ラッセル・マーティン「ベートーヴェンの遺髪」)やドキュメンタリーも作られたものなんですが、今回の研究で女性の髪であることがわかった。またユダヤ人のものだった。ヒラーの妻がユダヤ人だったことから、これはその妻のものとすり替えられたのでは無いかと今回推測されているとのこと。

うっそ・・・!!この毛髪に踊らされた人たちはさぞや気まずい思いをするに違いない。

●ベートーヴェンは鉛中毒だったとか黒人だったとかいう説もあったが、完全に否定された。

ベートーヴェン黒人説っていうのは最近のBLM運動とも関連がありますけれど、まあ違うやろ、ということで穏当な結果が出たと言えましょう。

いやー、それにしても最新のDNA鑑定でここまでわかるとか、面白い。めちゃ面白い。面白い調査結果に今夜は乾杯!(ほどほどにね)

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