今週日曜日、ダニエル・バレンボイムがズービン・メータの代役に立つというニュース。老老介護、といったシニカルなコメントも飛んでいますが、老マエストロが老マエストロの代役に立つというのもまた一興ではありませんか。え、一興なんて言葉は死語ですか。さいざんすか。
さて、どういう事かというと、89歳のズービン・メータはグラーフェネック音楽祭において、最終日にトーンキュンストラー管弦楽団を指揮することになっていた。これは1962年に同オーケストラを指揮して以来なんと63年ぶりの登場の予定だったとのことで、すげえことだな、さいざんすか、と思っていたのですが、体調不良。あれですね、来年また調子を戻して、戻って来ていただけると嬉しいです、ですね。
では誰が代役に?若者や中堅でもいいのだが、ここは一つ、ダニーに頼むというのはどうだろうか。だれが発案したのかはわかりませんが、ダニエル・バレンボイム(82歳)。ウェスト・イースタン・ディヴァン管弦楽団と夏のツアーを無事に終わらせて、そのままの勢いでグラーフェネック音楽祭へ!ということです。
バレンボイムが見事にウェスト・イースタンとのツアーを走り切ったから、そのままいけるだろう、とはなかなか大胆かつすごい事を考えた人もいるものだ。お手柄だと思います。誰が言い出したんだろうか。とてもそこのところは気になるのですが、しかし、バレンボイムがそのままの勢いで今週日曜日のコンサートを振り切って、さらにお元気になっていただくことを期待したい。
メータはまた来年に。
なお、プログラムは変更無しで(ブラームスのピアノ協奏曲第一番、交響曲第一番)、ソリストはブッフビンダー。バレンボイムは、ブッフビンダーとも、トーンキュンストラー管弦楽団とも初共演、そしてグラーフェネック音楽祭にも初登場ということで、見事トリプルプレーということになります。そう、トリプルプレー、野球のルールだったら攻めている側からすればいちばんあかんやつだが、守護神としてはしてやったりということになりましょう。
バレンボイム、持ってる。
持ってるっていうの、大事ですよね本当に。
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