サンフランシスコ交響楽団の団員たちがサロネンを呼び戻したいと結束

「冥利につきる」ということばがありますけれども、まさしく指揮者冥利に尽きるというか。指揮者というのはオーケストラからあまり好かれないことが多く、「指揮者なしのときが一番うまく演奏出来るよ」みたいな自虐的なギャグをいう演奏家もいるほどなんですけれどね。

しかし数日前に突如、契約を延長しないという発表があったサロネンとサンフランシスコ交響楽団の場合は違った。両者にとって幸せな方に。音楽家たちがコンサートで声明を発表したのです。

理事会との対立構造がはっきりとここで打ち出されてきたというわけです。全員が賛同しているかどうかまではわかりませんが、大多数がそうなのだと思いますね。じゃないと声明だせないですもんね。

音楽家たちが3月16日のコンサートで配ったビラによると、オーケストラのメンバーは「とても悲しんでいる」とあり、サロネンが出て行く決断をしたのは現代音楽に特化した『サウンドボックス』シリーズの減少、25年に予定されていたヨーロッパ・ツアーの中止、演奏家の給与がパンデミック前に戻っていないこと、などが原因であるとしていて、サンフランシスコや街のコミュニティにとって大きな損失である、とのこと。

理事会が交響楽団の将来への投資を怠った結果である、と。なお理事会からの反応はいまのところない模様。どう反応するのか相談中なのかもしれない。下手に発言すると炎上しますから反応は慎重にいかないといけないでしょう。あるいは、こういう時は「発言をしない」というのも一つのやり方なので、とりあえず様子見なのかもしれません。ただ、もしこのあとストライキとかに発展して大事になるとなかなかそれも難しいですかね。

サロネンがこのまま辞めてしまうことになると、アメリカのメジャーどころでまたひとつ、音楽監督を探している状態となる、ということになる、と書かれていました。ロサンゼルス・オペラ、シカゴ交響楽団、クリーヴランド管弦楽団、ロサンゼルス・フィルに加えてサンフランシスコ交響楽団。

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