CDとかレコーディングとかへの関心が急速に薄まる中(自分だけ?)、グラミー賞ってどれだけの意味を持つものだろうか。一度立ち止まって考えてみたい、とかなんとか思うのですけれど。
ポートレート、スナップ写真、名跡に訪れた思い出の写真、記念メダル、コンサート体験の思い出、握手券、それ以上の意味が果たして現代の録音にあるのか?あるいは、それだけの意味があれば十分にいいのか。
今回のグラミー賞で最優秀オーケストラ・パフォーマンス賞を受賞したのはニューヨーク・ユース・シンフォニーということで、ユース、つまり若者のオーケストラです。12歳から22歳で構成される彼らがベルリン・フィルやロサンゼルス・フィルといった世界の頂点のオーケストラとともに審査され、そしてグラミー賞を受賞したというのは何を意味するのか。
クラシック音楽のプロ・オーケストラへの挑戦なのか、プロ・オーケストラの衰退なのか、若者たちを支援しようという意識の結果か、多様性の時代を反映したものなのか(黒人女性作曲家の作品を集めたアルバムである)、あるいはオーケストラへのそもそもの無関心がなせる業なのか。
たぶん上に挙げたことの少しずつがまぶさって、ミックスされて決まったのではないか、という印象を私は持っていますがどうでしょうね。そもそもプロのオーケストラの演奏の善し悪しなんて、超マニアックなレベルの人でしか言い当てられず、言い当てられる人の絶対数が非常に少ない。世界の音楽業界的に見て、誤差の範囲でしかない。
オーケストラに未来はあるか?ない!!(ばちくそ面白い本なので一読をお勧め)
であれば、コンセプトとかがはっきりしていて、人の心にひっかかりやすいプロジェクトが目に止まりやすい、ということなのか。受賞した彼ら自身グラミー賞に応募すると知ったときは「クール」という反応だったのが、「シュール」になった、と書かれていて、彼らでさえ、若干混乱をしていることが見て取れます。
ユースで世界のトップの賞を取ってしまったら、トッププロに行く意味ってなんなのけ、という疑問が彼らの中で生じても不思議ではない。
とはいえ、若者たちおめでとう!下のリンクに発表の瞬間の映像があって、みんなが沸騰しているのが誠に喜ばしい!!
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