先週末はイスラエル・フィルがカーネギーホールでコンサートをしていたようですが、会場には抗議をする人たちが来ていて、静かに(数も少なかったようです)声を上げていたとのこと。
オーケストラとしては、自分たちは平和の大使だし、文化は政治の道具ではないし、我々は戦争とは無関係、といいたいとは思いすけれども、そうそう簡単に割り切れるものでもないかもしれませんね。
先日中国でゲルギエフとマリインスキー管弦楽団がコンサートをやっていて、それについて中国の知り合いにえっ、ゲルギエフって中国に行けるんだね?と言ったところあべこべにえっ、ゲルギエフって日本に来られないの?と驚かれましたが、何がだめで何がいいのか、わからなくなっている時代ですね。
ショパン国際コンクールではロシアから2名のピアニストが、政治的にニュートラルであるということを表現して初めて参加出来たのですが、そこまでして参加することは自分やロシアに住む親族の身に危険がおよばないのだろうか、とか思いますし、仮にショパンが生きていて意見を表明したとしたら何といっただろうか(ショパンがワルシャワを出てわりとすぐ、ポーランドはロシアに対して蜂起したが鎮圧された)、などと想像すると、つくずく、人間とは勝手なものだと思いますし、どちらか一方だけが正しいということも無いのだろうけれども、平和とはなにか、平和を求めるとは何か、ということを考え続けないといけないのだろうと思います。
一昨日はシレジア地方の都市カトヴィチェに泊まりまして(ワルシャワから電車で2時間半ぐらい)、昨日午前中アウシュビッツ=ビルケナウに行き、強制収容所の跡地を見学しました。朝7:30から開いている記念博物館にはおそらく世界中から人々が集まっていて、次々とガイドツアーがスタートしていました。私もガイドツアーに参加して説明を受けながら聞いていましたけれど、悪意をもって特定の民族を絶滅させようとしたという行為、そしてその目的を遂げるために国民をいわば洗脳していたというような説明を聞きながら様々な部屋を通過しました。
一番衝撃的だったのは、到着と同時に選別を受け、ガス室へと向かうハンガリーの人たち、主に女性や子どもたちが、このあと1時間もしないうちに殺されることも知らず、穏やかな表情でいる写真でした。

戦争はダメ!絶対!と思うんですが、どうして人々は殺し合いをするのか。
常に考え続けないといけないことなんでしょうね。極端な右傾化や分断が日本でも進まないといいのですが。あと、小声で何度目でもいいかすが、円安のおかげで儲けている皆様、輸入企業にも配慮してもう少し円高にてお願いします(ここにも分断がある。)
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