ラハフ・シャニの声明文がミュンヘン・フィルのサイトに掲載

ベルギーのフランダース音楽祭でのキャンセルを受け、ヨーロッパの音楽界がざわついていたこの一連の騒ぎについてラハフ・シャニは黙っていることもできたし、もしかするとそれが最も賢明かもしれない、と感じていましたが、おととい声明を公表しました。

ミュンヘン・フィルのサイトに特別に掲載された声明、今回影響を受けているのは本人だけではなくオーケストラもそうなので、本人だけの考えに留まらず、オーケストラとしてもどういう文言にすべきかを慎重に検討した上で出されているものでしょう。非常にバランスが取れていて、かつ心に響く文章なのでぜひお読みになってください。心に染み渡ります。人を思いやる気持ち、その大切さを噛み締めていたい。

シャニはイスラエル人として、またユダヤ人として2023年10月7日のハマスの残虐な攻撃について嘆きつつ、ガザで苦しむ民間人の姿にも無関心ではいられない、戦争を終わらせ、再建をはじめなければ、と語りかけます。

とりあえずチャッピーに訳して貰いましたので、日本語でいますぐ読みたい方は以下をお読みください(注:チャッピー=chatGPT)。

ここ数日、私が心から愛する二つのオーケストラ、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団とイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団と共に、望まぬ形で突然の世論の嵐に巻き込まれ、それが瞬く間に外交問題へと発展してしまいました。発端は、今週予定されていたミュンヘン・フィルによる開幕公演を主催者が中止するという、ゲント音楽祭の残念な決定でした。

音楽祭の運営側は「音楽はつながりと和解の源であるべきだ」とメディアで語りましたが、実際にはその言葉の意味を空虚にし、私に政治的声明を出すよう求める政治的圧力に屈したのです。私は長年、平和と和解への揺るぎない思いを公に示してきましたが、それを無視する形となりました。

公演中止が発表されて以来、個人的にも公的にも多くの励ましと連帯のメッセージをいただき、心から感動しました。なかでも、ミュンヘン・フィルの楽団員と指導部からの揺るぎない支援には深く感謝しており、このオーケストラの一員であることをより一層誇りに思いました。さらに、ミュンヘン市長と文化副市長、ドイツ連邦およびバイエルン州政府の関係者、そしてドイツ、ヨーロッパ、イスラエル、そして世界中の仲間たちが共に立ち上がってくれました。また先週土曜日、ベルギー首相がエッセンでの私たちの公演に出席し、連帯を示してくださったことは大変意義深いことでした。さらに昨日、ドイツ連邦大統領がベルビュー宮殿に私を招いてくださったことを光栄に思います。

2023年10月7日、イスラエルは恐ろしく前例のない出来事を経験しました。多くの人と同じように、私は自分自身と大切な人々の命を直ちに恐れました。その影響を受けなかったイスラエル人はいません。イスラエル社会はいまもなお、ハマスの非人道的な攻撃の痛ましい結果に嘆き、いまだに耐えがたい状況下に置かれている48名の民間人の帰還を願っています。けれども私も多くのイスラエル人も、人間としての価値を手放してはいません。ガザから伝わる映像や証言は深く心を痛めるものであり、この戦争がもたらした惨状の中で民間人が苦しむ姿に無関心ではいられません。一刻も早く戦争を終わらせ、両社会にとっての長い癒しと再建の過程を始めなければなりません。

私は、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団の音楽的指導を託されました。そこには、アルトゥーロ・トスカニーニ(彼が初めて指揮したのは、ヨーロッパから逃れることができたユダヤ人難民たちでした)、レナード・バーンスタイン、ズービン・メータといった、人道的精神に満ちた偉大な音楽家たちが名を連ねています。イスラエル・フィルは、芸術家が自由に演奏できることの象徴的存在であり、創立以来、楽団員自身によって運営されてきました。その指導の下で、クラシック音楽の発展は常に、イスラエル国内および世界との人々をつなぐ努力と共にありました。

昨夜、9月15日(月)、ミュンヘン・フィルと私は、ゲントでの公演中止を受けてご招待いただいたベルリン・ムジークフェストに出演しました。ベルリン芸術祭とベルリン・フィル財団のご尽力に心から感謝申し上げます。そのご厚意はミュンヘン・フィルの私たち全員にとって計り知れないほど感動的でした。これはまさに音楽の力、すなわち人々を分断するのではなく結びつける力の最良の例だと思います。

ラハフ・シャニ
2025年9月16日

https://www.mphil.de/konzerte-und-karten/statement-lahav-shani

コメント

コメントする