中国初上陸の記憶 その1

中国、真ん中の国、セントラルカントリー。まあよくもまあ、そんな恥ずかしげもなく堂々と言い切れるな!!とも思いますが、言い切れることはすごいことです。

なので(なので?)生まれて初めて行ってきました、中国に。夏だし。北京と上海に弾丸2泊4日。宿泊したのは北京に2泊で、上海はわずかに12時間ぐらいの滞在で、昨夜遅くというか、日付が変わった01:35上海発のフライトで朝5:30に羽田に着きました。ほんで羽田空港でシャワーして、いま品川駅にいて、これから本日の現場に向かうところです。無事に新幹線乗車。ヨシッ!!

で、初めての中国はどうだったんだい?

とにかくでかかったですぅ。

残念ながら観光的な行為はほとんどしておりませんが、やはりほらこのブログ、クラシック音楽に特化しているでしょう?だからクラシック音楽に限って話をしてみてもいいかなと思うんですよね。

そう、つまり北京では国家大劇院に行った話をしようと思います。はい。

大劇院、なんですか。ホールです。なんて読みますか。わかりません。子曰く、どでかかったです。地元の方いによりますと、ともかくわが国ではでかく作らないとだめなんです、人口もめちゃめちゃ多いし、国も広大だし。ということだそうです。たまたま軍事パレードとやらが計画されていたため天安門広場が封鎖されており、残念ながら大きな毛主席を見られなかったのですが、その至近にあります国家大劇院はともかく、とてつもなく巨大だったのでした。卵型の建物のまわりにお池があって、江沢民の書いた?文字が自慢気に光っていて。

国家大劇院の外観はやはりフォトスポットのようでした

私が行ったのは、その卵のなかにあるコンサートホール。1800席ぐらいだそうです。じゃあ、ってとりあえず卵に入ってみると、ギンギラギンにさりげないどころか、ギンギンに主張が激しいその外観からは想像のつかぬ、超絶洒落た空間が現れました。なんとですね、卵の内側、真ん中にドーン!と建物が別途あって、それがオペラハウスだというんですね。中尊寺金色堂みたいな。あれを21世紀に中国でやったらこんな感じ、みたいな。あら、オペラハウスって、建物の中にあっていいのかしら、こんなに小さくてもいいのかしら、と思うのですが実際は当然すごい巨大な空間なんだと思います。入ってないから分かりませんけれど、たぶんそう。

巨大なホワイエ。建物の中に建物(オペラハウス=この写真の真ん中上部)があるってどういうことですか

で、オペラハウスを見て左半分がコンサートホール。右半分は演劇とかをやるホール。人工の池の下を通って行くと、そんな場所が忽然と、威風堂々と現れるわけです。スケールが違う。

次に度肝を抜かれたのが聴衆の服装です。何でかって、超絶カジュアルなのです。来る人来る人、皆さんあれですかね、テニスの試合にでも来られたんですかね?と思うような、あまりに普段な姿をしておられるのです。失礼があってはならぬとスーツにネクタイをして行ったわたくしは完全に浮きました。ジャケットを着ていたのは文字通り数名だったでしょう。ネクタイなんて私だけだったと思う。実に恥ずかしい!

Tシャツにショートパンツ、お化粧ゼロ、みたいな方も多数で、なんとなればジーパンでさえ、おっ、どしたの頑張っちゃって!と言われかねぬほどですね。聞けば、うん、北京の人は超カジュアルが基本ですとのことでした。

客席には若者も多く、なんとなれば巨大なぬいぐるみを持って入ってきた小さな子供(未就学児?)もいまして、大丈夫か、コンサート2時間耐えられんのかと思ったんですが、静かに最後までお聞きでした。

コンサートホール内部。ボコボコの天上がいけている

面白いのが、みなさんスマホ、タブレットを演奏中も平気で見る、写真もバシバシ撮る(ただしこれについては許容されているわけではなく、スマホを見ている人には容赦なく、案内係から赤いレーザービームがその画面に浴びせられます。消せ、ということなのでしょう。うなるレーザー!!それでも懲りぬ面々!おおっと!また取り出したああぁあ!!)。世界観が全く違う。演奏中あちこちから、あ、いまスマホが落ちたな的な鈍い音がゴン、ゴン!と聞こえてくる。携帯もジャカジャカ鳴る(ホールに電波妨害装置を入れようとしたところ、なぜか却下されたのだとか)。うむ。パワフル!

洗練されていない、と苦い顔をされる方もおられるかもしれません。たしかにそうかもしれない。でも演奏後の盛り上がりもワイルドで、クリスチャン・ブラックショウ大先生がカーテンコールで現れるとワイルドな感じになり、じゃあ、って椅子に座ろうとするとウォーッ!と、まるで新庄監督がホームランを打った瞬間みたいにスタンドが、、、、いえ、客席が揺れるんですね。そんなに喜んでもらえたらアンコールする方もウキウキに違いない。

こんなん初めてや、って思ってたら関係者に、えっ、日本は違うの??ってわりと真顔で言われまして、まあ、その、、、、違うかな、と俯いて頬をほんのりと赤らめたのでした、わたくしは(どんだけナイーブやねん)。したら、日本は違うんだ、へーへー!おもろい!!と皆さん大喜びでした。喜んでもらえて私も嬉しい。

シューベルトの静かな即興曲でワイルドになれる、感情を発露できるというのはいいことですね。中国のパワー恐るべしと思ったのでした。

あと北京では英語がほぼほぼ通じなかったのも楽しかったです。本当に一言も喋らない人がほとんどでした。ホテルでさえ通じぬ。だがこういうのは身振り手振りとかでなんとかなる。

ご用意頂いたご飯にニンニクが激烈に入っていて、フワ〜ってなったところ、なんなら生でもかじるよおいしいよと言われ、流石にそこまで行くには人生もう一回分ぐらい必要か、と、フンフン、と思いながら聞いていました。

北京はともかくなにもかもがでかかったのでした。

天安門は封鎖されていてギリギリ見えず

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