脳腫瘍を患いながらも舞台に何度も戻ってきて、人々に勇気と力を与え続けているマイケル・ティルソン・トーマスが、ついに、最後のコンサートを指揮しました。症状はよくないようで、それでも、悪性腫瘍の公表からものすごく長い間、3年ぐらい?舞台に立ち続けたのは本当に特筆すべきことでありましょう。感動的だよね。
4月26日、80歳記念コンサート(1944年12月21日うまれです)はもちろんサンフランシスコ交響楽団と、デイヴィス・シンフォニー・ホールで。全面的に本人のトレードマークとでもいうべきカラー、「青」があしらわれた、なんとも粋なコンサート。
みて、オケのメンバーのネクタイは青いし、女性達も赤いストールを身につけているし、マイケル・ティルソン・トーマスは青いメガネ、青いシャツ。そして最後は、天上に吊り下げられた大量の青いバルーンがパーン!と音を立てて客席およびステージに落ちてくるというサプライズつき。
指揮台の横で椅子に座り最後の曲を聴いていた本人もにっこり。さすがにつかれた表情だが、お別れはにっこりと笑ってしたいものだね、を見事に体現していると言えましょう。
ほんとうに長い間お疲れ様でした。笑顔でお別れができるなんて最高ですね。最高の芸術家人生ですね。こういうのはどれだけAIが発達しても絶対に到達出来ない人生のハイライトですよね。
惜しまれながらつつ、これで指揮活動とはお別れ。このあとは静かに、そして素晴らしいリタイア日々をお送りになるに違いないのだ。ゆったりとした日々がそこにあるのに違いない。だから私たちはこう言うのが正しいのだと思う。
引退、おめでとう!
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