マウリツィオ・ポリーニの最後のスタジオ録音が来月リリース

おれたち、わたしたちのポリーニが亡くなったのは今年の春。2024年3月に82歳で亡くなりました。私はあまりポリーニのよきファンではなかったかもしれませんが、みなさんはポリーニの弾く何を一番聴きましたか。

私もショパンエチュード含めいろいろ聴いたけど、ブラームスのピアノ協奏曲第2番かもしれない。たぶんウィーン・フィルとの一番古いやつ。あるいはペトルーシュカからの三楽章とか。ポリーニのキャリアは、レコードとともにありました。バンバン録音が出て、たぶんかなり売れたんだろうなと思いますね。いまはこういうわけにはいかない。

ポリーニのベートーヴェンは全然といっていいほど好きになれなかったけれど、それはまあ個人的な趣味の領域の問題であって、水準は素晴らしく高かったのだと思います。

晩年の演奏はボロボロで、もうやめてあげて!と思うようなこともなきにしもあらずでしたが、しかしそういうのをさらけだすのもまあアーティストなわけなので、それはそれで生き方として一貫してたともいえるのかもしれません。

ポリーニの、おそらく最後の録音が来月リリースされるようです。

おそらくと書いたのは、こういうのは「これが最後」「こんどこそ最後」「これこそが最後」みたいな感じで、掘り起こされることもあるからなんで、言い切れない的な感じ?免責事項的なかんじで書いてしまいましたけれど、スタジオ録音?としては最後ということになるのではないかなあ(やっぱり言い切ってない)。

演奏しているのはシューベルト。しかも息子のダニエレとの共演もあり、ということなので、息子がピアニストだったとはついぞ知らなかった!ですが(どうやらドビュッシーの《白と黒で》で共演したレコーディングがあるようです)、親子で共演するというのは、感慨深いものがありますねやはり。

発売は10月25日。ト長調のソナタD894、楽興の時D780、そして幻想曲D940。この幻想曲で共演しているんだね。素晴らしく美しいシューベルトの作品とともに、ポリーニにお別れを。

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