悶絶者が、続出したって?ほんとうか?ほんとうです。ありとあらゆる賛辞が集まったとてつもない夜でした、本当に。昨夜は。
それにしてもパオロ・パンドルフォは頑丈だ。タフだね。音楽家に必要な資質のすべてを備えているのではないか。見事な技術、とんでもない知識に裏打ちされた説得力に満ちた音楽、それを実現してくれる素晴らしい楽器。そして、最後になによりも頑丈で揺るぎない身体。名古屋で全曲を演奏し、一日あけて昨夜、全曲を横浜で演奏した!これはとんでもないことだ。しかもここだけの話、来日したのは名古屋公演の前日の朝である。今回の来日はたったの4泊しかしていないのだ。
はっきりいって体力的にどうなの、時差ボケとかどうなの、と私は思っていたが、まったくの、完全なるキユーでしてですね、時差ボケなんなのそれ、全然どこ吹く風でですね、ブワーッ!!と、いやむしろバウワーッ!!と、松ヤニの粉を飛ばしながら超絶演奏をしてくれたわけで、私も唸るしかなかったですよ。これはとんでもないことだ。とんでもないことだ。とんでもないことだ。と三度頭の中で言った。
演奏してた楽器はニコラ・ベルトラン。超いい楽器だったですね。製作されたのは1690年から1705年ぐらい、残念ながら正確な制作年はわからないんだそうですけれど、バッハがちょうど生まれて育っていた時期、そのあたりに作られたという事ですから、すなわち、フランスとドイツと、距離はあったにせよ同じ時代を生きた、まさにマブダチと言って良かろう。マブいな(間違い)。
ほんっと、サイン会の列がディズニーランド級だったのにはたまげました。最後尾はここの看板を館長自らがお持ちいただいて。ありがとう館長。私は心の中でそっと、そのようにつぶやいていた。
パオロ・パンドルフォが聴けなかった皆様は残念だった。また次回の来日を計画したい。次はどうする。どうなる。なにが起こる?
きっと何かが起こる。楽しみに待っていてほしい。
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