ラヴェルのボレロというと、最も奇妙で最も効果的で最も大好きで最もいけている最も最高の・・・・・・ま、ええ曲ということやね。
15分間ひたすら同じ2つの旋律が繰り返されて、ひたすらクレッシェンドしていって、最後にカタストローフ!!うおーー!店長来たー!!間違えました。突如として転調してですね、一気にこう、ギアがトップに入って、ガガガガガガン!!となだれ込んで終わるわけですね。最後の締まりが最高だぜ。
というわけで、フランス音楽作品史上最も演奏される曲の一つとされていたわけです。それが何を意味するのか。
既得権益。甘い汁をチューチュー。もらえるものはもらっとこ。
著作権問題ですね。ミッキーと同じです。ミッキーが暴れると著作権が伸びる。ラヴェルの著作権問題もとても繊細で、著作権を持つのは誰っていうのが、ラヴェルの死後、裁判沙汰とかになっていて、わりとドロドロしているわけ。なんでかっていうと、ラヴェルは結婚しておらず、妻子がいなかったというのが一つの理由。それ以外の理由はググってみてください。私も完全には把握していないから。こことか、こことか。そう、人は金で変わる。
ラヴェル作品は毎年数百万~数千万ユーロ(数億円~数十億円単位)の著作権料を生み出していたというのだからそりゃあ頑張りたくもなるというものですね。みっともないと思うのは外野だけで、いざ自分が内部の人だったら頑張っちゃうかもよ?(ただ、最後の5年間は13.5万ユーロぐらいだったらしいですがね。それでも2000万円ぐらいあるわけなんで、ありがてえ話だったですね)
ラヴェルがなくなったのは1937年。フランスの著作権は70年だそうですが、戦争加算があったり、ドロドロがあったりで何年か延長されていたのが、ようやく2016年に切れていた。それが気に入らないアレクサンドル・ブノワという舞台美術家の相続人6人が、ボレロは初演時の舞台美術をブノワが担ったことから、共同の創作者であると主張していたのです。強欲です。無茶だ。
この主張がついに金曜、パリ郊外ナンテールの裁判所により退けられて、ボレロはパブリックドメイン(著作権が切れている状態)であることが確認された、ということであります。
ただこれはパリ郊外の裁判所の決定、という状態なので、最高裁とかそういうやつではないですよね。もしかして裁判はまだ続くのかな?フランスの裁判の仕組みを全く知らずに書いているのですが、それとも、もうこれでおしまいなのかな?
どうか静かに眠らせてあげてください。
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