博物館の中にある楽器はもちろん古いものが多くて、実際に触れたり、演奏したりすることが出来ません。たいていの場合。そしてこれまでの場合。
これからは、昔の楽器も触れるようになるで!!というお話です(来年の3月からを予定)。
すんげえ!しかし条件というか、但し書きがありまして「3Dプリンターでコピーしたものだけどな」という事になります。
昔の楽器はたいてい木とかで出来ているので、樹脂で作り直した3Dプリンターだったら音も見た目も、触感も全然違うやんけ!!っていう事なんですけど、それでも、全く触れないという状況よりもずっと面白いのではないか。
ちなみに今回製作されるのは世界最古のギター、世界最古級のクラリネット、17世紀初頭のリコーダー2本など10点だそうです。予算は33000ポンド(530万円ぐらい)とのこと。うおお格安だっ!!
いや「これはフェイクなんで、悪い経験を生むだけだ」と非難することも可能ではありますけれど、全く別の考え方でやっていると思うんですよね。そもそも一般人は絶対に触れない楽器、しかも経年劣化で音も悪くなっているかも知れない楽器をポロポロってやるのは無理。その代わりに「その形のものを手に取ってみる」というのはなかなか貴重な体験のように思いますよね。恐る恐る触って、その結果かえって手がぷるぷるして落下させたりなんかする危機との遭遇よりもずっと健康的。
昨年末、子供たちと凧揚げをしましたけど、あれは本当に心臓に悪かったというか、手を離したら飛んで行ってしまうんではないか、と思うとお顔真っ青になって手にじっとりと汗をかきましたもんね。歴史的な楽器を扱うというのはそれに近い感覚があると思いますよ。そこまでのリスクをとるというのは、見せる方(博物館)も触る方(来館者)にとって不幸な事なんではないか。
それにしても面白いことを思いつく人がいますね。3Dプリンターでやろうなんて。これ、うまく行くんだろうか。いいんですよ、うまく行かなかったらやっぱやめた、でいいと思うんですよね。
予算が付いたのは本当によかった。日本の国立博物館なんてお金が足りなくて悲痛な叫び声を上げているのに。日本も文化をもっと守って欲しい、ただ保存するだけでなく3Dプリンターとか、新しい息吹もどんどん吹き込んで行きつつ、時代に合わせた新しいスタイルを模索して欲しい。
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